ケガの範囲って?

ケガの範囲って?

傷害保険には、万一の事故の際のケガを対象としますが、どんなケガも対象となるわけではありません。傷害保険は「急激・偶然・外来の事故」によって生じた場合にのみ補償されます。ここでは一般的な普通傷害保険について解説していきます。

どんなケガでも良いわけではない

傷害保険は、「急激・偶然・外来」すべての要件を満たす事故によるケガが対象とされています。この3つを「傷害保険の3要件」といいます。以下の3つの要件すべてを満たす事故のケガに対してのみ保険金が支払われます。

●急激とは

突発的に発生することであり、ケガの原因としての事故がゆるやかに発生するのではなく、原因となった事故から結果としてのケガまでの過程が直接的で時間的間隔のないことや予測・回避できないものであったことを意味します。

●偶然とは

「原因が偶然であること」「結果が偶然であること」「原因・結果がともに偶然であること」のいずれかに該当する予知されないできごとをいいます。

●外来とは

ケガの原因が被保険者の身体の外からの作用によることをいいます。事故の原因が外来であれば、溺死や窒息死など身体の外部に傷害の痕跡がなくても補償対象ということになります。

つまり、突発的に発生し、予知できない事故であり、傷害の原因が外からの作用であるということです。ですから、靴ずれ、車酔い、熱中症、しもやけなどは該当しません。
それでは、具体的にはどのようなケガが補償の対象なのかみてみましょう。

日常生活でのケガ

●例えばこんな時(普通傷害保険の場合)

  • 自転車通勤中にケガをした
  • 通学途中に地下鉄の階段を踏み外してケガをした
  • 自宅で料理をしていて火傷した
  • 仕事中にケガをした
  • スポーツ大会でケガをした
  • スノーボード中に骨折をした
  • プールで転んでケガをした
  • 旅行先でケガをした

補償対象外のケガ

  • わざとケガをした
  • ケンカをしてケガをした
  • お酒を飲んだ後、自動車を運転してケガをした
  • 自動車競技中にケガをした
  • 脳卒中で意識を失い、転んだ時にケガをした
  • 地震による揺れで転んで、ケガをした
  • 旅先で暴動に巻き込まれてケガをした
  • ハングライダー搭乗中にケガをした

食中毒は対象になる?

身体外部から有毒ガスまたは有毒物質を偶然かつ一時的に吸入・吸収した場合に急激に生ずる中毒症状は傷害保険で補償されます。
例えば、出張先のホテルで火災が発生し、煙による一酸化中毒のため入院した場合などは保険金が支払われます。
それでは、ノロウイルスやO-157などの食中毒は対象となるのでしょうか?
食中毒といってもいろいろ種類があるので、代表的なものを挙げます。

1.細菌性食中毒

サルモネラ菌、カンピロバクター、O-157などが原因

2.ウイルス性食中毒

ノロウィルス・ロタウィルスなどが原因

3.自然毒食中毒

毒キノコ・フグの毒・貝毒などが原因

4.化学性食中毒

食品添加物・有害金属・農薬などが原因

1.細菌性食中毒、2.ウイルス性食中毒は、補償の対象外となります。保険上では1・2は「疾病」とみなされ、3・4は「災害」とみなされます。ここが傷害保険の対象か対象でないかの分かれ目となります。

普通傷害保険の話からは脱線してしまいますが、傷害保険の中でも海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険では、特約なしでも食中毒(1.細菌性食中毒、2.ウイルス性食中毒)などについて補償の対象となります。


※『×』も特約を付帯することで一部対象となります

普通傷害保険では1・2は全く補償されないのかというと、「特定感染症危険補償特約」といった特約を用意している保険会社もあります。この特約を付帯すれば、特定感染症(感染症法に規定する感染症のうち、一類感染症から三類感染症まで)を発病した時に、補償を受けることができます。例えば、O-157は、三類感染症(腸管出血性大腸菌感染症)に指定されているので特約を付帯していれば、対象となります。

感染症法における一類から三類までの感染症(2016年11月現在)
参考:総務省「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」をもとに作成

全ての食中毒が対象となるわけではありませんが、特約を付帯することで補償の対象となる場合もあります。

まとめ

ケガであれば、どんな場合でも対象となるわけではありません。「突発的に、たまたま、被保険者の身体の外部からの作用によって生じる事故」によるケガが対象となります。また、ケガと聞くと身体の外部に傷害の痕跡がないといけない様に思われがちですが、煙による一酸化中毒など外傷がなくても補償の対象となる場合もあることを、知っておきましょう。