上皮内新生物と悪性新生物の違い
「そのがんは保険の対象外なので、お支払いできません」
がんと診断されて、給付金を請求したけれど、保険会社に断られてしまった…
こんな話を耳にすることがあります。
がん保険では、契約内容をきちんと確認しておかなければ、このような誤解が生じてしまうことがあります。特に「保障の対象となるがんなのかどうか?」という問題になりやすいのが、「上皮内新生物と悪性新生物の違い」です。
このページでは、この上皮内新生物と悪性新生物の違いについて、わかりやすく解説していきます。
「がん」には上皮内新生物と悪性新生物の2種類がある
わたしたちが「がん」と呼んでいる病気は、詳しくは「上皮内新生物」と「悪性新生物」の2つに分類されます。
がん保険に入っていれば、「がんと診断されれば給付金を受け取ることができる」と思ってしまいがちです。
しかし実際には、「悪性新生物」に関しては保障されますが、「上皮内新生物」については給付金が少なくなってしまうことがあるため、注意が必要です。
上皮内新生物とは?
それでは、上皮内新生物と悪性新生物はどのように違うのでしょうか?まずは上皮内新生物から詳しく解説していきます。
上皮内新生物とは、がん細胞が上皮内(組織の表層部分)にとどまっている状態のことを言います。治療を行えば、ほぼ完治できるものであり、転移や再発の可能性もほとんどないといわれています。
イラストのように、基底膜(大腸の場合は粘膜筋板)を越えていない(臓器の深くまで浸潤していない)がんのことをいいます。基底膜を越えると、血液やリンパを通って、他の臓器などに転移する危険性がありますが、上皮内新生物の場合にはその危険性がほぼないため、転移する可能性も低くなるのです。
中にはそのまま進行しない場合や、自然と消失してしまう場合もあります。組織を切除してしまえば完治する場合がほとんどですので、手術治療を行うのが一般的です。
主に大腸や子宮のがんに起こる可能性があります。
悪性新生物とは?
次に悪性新生物について解説していきます。
上皮内新生物が基底膜を越えていない、完治する可能性の高いがんであるのに対して、悪性新生物は、基底膜(大腸の場合は粘膜筋板)をがん細胞が越えており、転移や再発の可能性もあるがんです。
悪性新生物は、進行性のあるがんであるといえます。別の言い方では「悪性腫瘍」と呼ばれることもあります。図のように細胞の上皮から発生して基底膜を越えて進行するがんのほかにも、悪性リンパ腫や白血病などの血液のがんや、肝臓がんやすい臓がんなども「悪性新生物」に分類されます。
上皮内新生物と悪性新生物の保障の違い
上皮内新生物は一般的に浸潤もなく転移の可能性もないため、治療期間は悪性新生物に比べると短く済む可能性が高いと考えられます。対して悪性新生物は、進行性が高く、治療も長期化しやすいがんであるといえます。
そのため、上皮内新生物の保障額と悪性新生物の保障額は異なります。
上皮内新生物と悪性新生物で保障が異なることについて、きちんと倶楽部の会員様からその違いについてお問合せをいただくことがあります。がん保険に加入されている方は一度ご確認されますことをお勧めいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
一言に「がん」と言っても、「上皮内新生物」と「悪性新生物」の大きく2つに分けられます。また上皮内新生物の場合には、保障内容が異なる契約になっている保険商品もありますので注意が必要です。特に古い保険商品は、上皮内新生物の保障内容が異なるケースが多くなっていますので、確認が必要です。
新しくがん保険に加入する場合は、現在のがん治療に対応した商品を、既に加入中であれば、現在加入中のがん保険にいつ頃加入したか等、契約内容の確認をしておくと良いでしょう。
AFH283-2024-0017 3月5日(260305)