自動車保険に付けられる主な特約

自動車保険に付けられる主な特約

自動車保険には主契約となる基本補償に加えて、さまざまな「特約」を付帯することができます。その種類は非常に多彩で、基本補償では補償されない内容や範囲をカバーしてくれるものや、そもそもの補償内容の補償範囲を制限することで保険料を安くしてくれるものなど、基本補償に特約を追加しておくことで、相手のためにもご自身のためにも、より安心でより手厚い補償を受けられるオプションとなっています。

まずここでは、主に取り扱われていることの多い特約をいくつかご紹介します。他にもさまざまな特約が保険会社ごとに用意されていますので、基本補償とあわせて付けておきたい特約として検討してみましょう。

※ここで紹介する特約に関しては、特定の保険会社の商品をご案内およびお勧めするものではありません。
※ここで紹介する特約に関しては、保険会社によっては取り扱いのないものも含まれます。
※保険会社によって、名称および詳細内容の異なる場合があります。

相手のための特約

●対物超過補償特約

対物賠償保険で補償する事故が起きた時、相手の車の時価の額を超える修理費用が発生した場合に、その超過額を補償してもらえる特約です。

対物賠償保険においては、その補償額が無制限となっていた場合であっても、相手の車に対して補償してもらえる金額は、その車の「時価額」までとなっています。そのため、年式が古い車を修理することになった場合などに、その車の時価の額よりも修理費用の方が高くなることがあり、その差額を別途請求されることも考えられます。
このような時に、その差額に準じて補償を受けることができるというメリットがあります。

ご自身の車のための特約

●免責ゼロ特約

一般的に、車両保険には免責金額(自己負担金額)が契約時に決められており、車両保険を使ってご自身の車を修理したい時は、おおむね5万円~10万円が自己負担となります。実際にかかった修理費用の額に関わらず一律となりますが、免責ゼロ特約を付けておくことで、免責金額をゼロにしてもらうことができる特約です。

免責ゼロ特約の中には、全ての要因の事故による修理が対象となるタイプや、車対車の事故による修理のみ対象として制限することで特約の料金を抑えるタイプなど、いろいろなタイプがあります。また、一般的には1回目のみ免責ゼロとなる仕様ですが、2回目以降も免責ゼロとなるような特約として扱う保険会社もあります。

またこれは特約ではなく、車両保険そのものを契約する際に、免責金額を決めておくことができる保険会社もあります。この場合は、車両保険自体の保険料が変動することになります。

●新車買替特約

車両保険の補償対象となる事故により契約車両(新車)が大きな損害を受けた時、再び新車に買い替える費用などを補償してもらえる特約です。契約車両が修理できないほどの大きな損傷である場合や、新車価格相当額の50%以上になる場合に、この特約から補償を受けることができます。

この特約は、契約車両が新車(保険始期日の時点で初度登録から25ヶ月以内)である場合に限り、車両保険に付帯することができます。

新車は車両価値も高く、大きな損傷でも修理して乗り続けたとしても、事故の影響から見えない部分に損傷があり劣化が早く進むことも考えられます。また、その車を手放すことになった時にも修理歴がある車両ということで、買取価格が下がることも考えられます。何より買ったばかりの新車というものは、それまで乗っていた車と運転感覚が違うなどで乗り慣れないこともあり、思わぬ運転ミスを起こすこともあり得ますので、車両保険に加えて付けておくと安心できる特約ではないでしょうか。

ご自身や家族、同乗者のための特約

●弁護士費用特約

交通事故に関する示談交渉や訴訟が必要となった時に、その交渉を弁護士に依頼するための費用を補償してもらえる特約です。

交通事故が起きた時、自動車保険を利用することになる場合は、示談交渉サービスや法律相談サービスなどにより、その保険会社の担当者が交渉をしてくれるのが一般的です。しかし、もらい事故などでご自身の過失がゼロ(相手の過失100%)の事故の場合、ご自身の自動車保険は使われないこととなり、担当者に交渉してもらうことができません。その場合の相手方(本人または保険会社の担当者)との交渉は、ご自身で受けなければなりません。そんな状況の時には、是非この弁護士費用特約を利用すると良いでしょう。

一般的に弁護士費用というものはかなりの高額になることもありますが、自動車保険における弁護士費用特約ではおおむね300万円程度までの費用を補償してもらえるので、もしそれを超えるような費用が発生したとしても、ご自身での負担額はかなり軽減されることになるでしょう。

この特約には、ご自身で弁護士を探す手間がない(保険会社から担当の弁護士を紹介してもらえる)ことや、実際の示談交渉に弁護士を使わない場合でも法律相談が可能であることなど、メリットの大きい特約であるといえるでしょう。もちろんご自身で弁護士を探した場合でも、費用を補償してもらえます。

また、ご自身の過失の方が大きい場合でも利用できる特約ですので、ご自身が被害者になっても加害者になっても、非常に役立つ特約になると考えられます。

自動車保険で弁護士費用特約は必要?

●形成手術費用補償特約

原則として基本補償で補償される「治療費」とは、あくまで「ケガを治すための治療費」であるため、傷あとが残ってしまった場合でも、その傷あとを消すための手術費や治療費は含まれていません。

この特約は、搭乗者傷害保険または人身傷害保険で補償されることとなった事故により、その時のケガが原因で治療後に傷あとが残ってしまったような場合に、この傷あとの治療を目的とした形成手術を受けた時の手術費用を補償してもらえる特約です。

この特約に関しては、搭乗者傷害保険または人身傷害保険による補償の対象であることが条件となる場合があり、その場合はこれらの保険にセットとする必要があります。また、特に女性にとって心強い補償であることから、女性向け自動車保険プランの一部として含まれている場合もあります。

自動車事故以外でも役立つ特約

●個人賠償責任特約

自動車事故を除く日常生活中に事故を起こし、契約者本人またはその家族が他人をケガさせた時や物損事故を起こした時などに、その損害賠償責任に対して保険金を受け取ることができる特約です。

例えば、契約者の子どもが自転車に乗っている時に他人にぶつかってしまい、相手をケガ、後遺障害、死亡などさせてしまった場合などでも、この特約から損害賠償を補償してもらうことができます。

近年、自転車走行中の事故による損害賠償の金額が、非常に大きな額となることが増えており、社会問題となっています。小学生の子どもが他人に衝突する事故を起こし、相手に重い後遺障害が残った事例においては、損害賠償額が9,000万円を超えるといった事例もあるほどです。

そのために別途「自転車保険」に加入するという選択肢もありますが、この自転車保険の場合は自転車事故のみが対象となることがほとんどです。その代わりに、自動車保険に個人賠償責任特約を付けておくことで、自転車事故はもちろん、そのほかの日常生活における事故やトラブルに対しても備えておくことができます。

例えば、自転車事故の他には、ペットの散歩中に他人に噛みついてケガをさせてしまった場合、お買い物中に展示品を落として壊してしまった場合なども、個人賠償責任特約の補償対象となり得ます。ご自身はもとよりご家族のためにも、自動車保険に加えて備えておくと心強い特約です。

なお、この個人賠償責任特約は、自動車保険の他にも火災保険に付帯することができる場合もありますので、ご自宅の火災保険の内容を確認・比較したうえで、どちらの保険に付帯させるかを検討すると良いでしょう。

自動車保険に付けられる個人賠償責任特約ってどんなもの?

●自転車事故傷害特約

上記の個人賠償責任特約と併せて付けておくと良いのが、この自転車事故傷害特約です。この特約では、契約者本人またはその家族が、自転車走行中に転倒などしたり、歩行中に他人の自転車にぶつかられたりしたことなどにより、ケガ、後遺障害、死亡した場合に保険金を受け取ることができます。

個人賠償責任特約はご自身や家族が加害者となった場合に、自転車事故傷害特約はご自身や家族が被害者となった場合に、それぞれ補償を受けることができますので、併せて付帯しておくと良いでしょう。

ただし、自転車事故傷害特約に関しては「自転車に関する事故」のみとなりますので、個人賠償責任特約のようにその他の日常生活上における事故に関しては補償されません。

例えば、ご自身や家族の医療保険・死亡保険・傷害保険などが充分に備えられている場合であれば、そちらで自転車事故によるケガなども含め、さまざまな傷害に対応できる可能性がありますので、この場合は自転車事故傷害特約を付けず、個人賠償責任特約のみを自動車保険に付帯しておく、というのも方法のひとつといえるでしょう。

●ファミリーバイク特約

契約者本人またはその家族が原付バイクを使用中に事故を起こした場合に、その損害賠償や自身のケガなどについて、主契約である自動車保険の対人賠償保険や対物賠償保険などから補償してもらえる特約です。
ご自身も含め、家族内で原付を利用している人がいる場合は是非付けておきたい特約です。

この特約の対象となる車両は、「125cc以下の二輪原動機付自転車」または「50cc以下の側車付二輪車」が対象となります。また他人から借りた原付バイクを使用中の事故でも対象となります。

この特約のタイプとしては、賠償のみを補償するタイプや人身事故まで補償するタイプなど、保険会社によって内容が異なっている場合、または複数のタイプから選べる場合があります。

保険料を抑えるための特約

●運転者(家族)限定特約

契約車両を運転する人を本人のみや家族のみに限定することで、保険料を抑える(割引される)特約です。一般的には、保険契約申し込みの際に選択することになっている場合がほとんどです。

運転者家族限定のタイプとしては、おおむね以下のような選択肢があります。

  • 契約者本人のみ(運転者本人限定特約)
  • 契約者本人および配偶者のみ(運転者本人・配偶者限定特約)
  • 契約者本人および同居の親族、別居している婚姻歴のない未婚の子(運転者家族限定特約)

運転者(家族)限定特約

「本人限定」にした場合は保険料が最も割引され、何も限定しない場合は通常の保険料となります。

例えば、ご自宅に夫婦の二人暮らしであり、未婚の子どもが別居しているような場合で、子どもが帰省してきた時などに父(本人)の車を利用するようなことがある場合は、別居の未婚の子まで含まれる「運転者家族限定特約」にしておくと良いでしょう。もしその子どもが自分で車を所有していて、父(本人)の車を利用する可能性がないのであれば、「運転者本人・配偶者限定特約」にしておくことで保険料が割引されることになるでしょう。

●運転者年齢限定特約

契約車両を運転する人の年齢を限定することで、保険料を抑える(割引される)特約です。こちらも一般的には、保険契約申し込みの際に選択することになっている場合がほとんどです。

年齢の範囲は保険会社により異なる場合もありますが、一般的には以下のような選択肢があります。

  • 年齢を問わず補償
  • 21歳以上補償
  • 26歳以上補償
  • 30歳以上補償

運転者年齢限定特約

年齢制限を高くすればするほど保険料が割引され、「年齢を問わず」にした場合は通常の保険料となります。

家族限定特約と年齢限定特約はセットで考えられることが一般的です。家族構成や家族の年齢、家族以外も含めて本人以外の誰が運転する可能性があるか、などを考慮して、それぞれ適切に設定するようにしましょう。

家族限定や年齢条件による自動車保険の補償範囲について