介護保険制度の概要
市町村が運営主体となって、介護を社会全体で支えるしくみとして、2000年にスタートした公的介護保険。40歳以上の人は、自動的に全員加入し、介護保険料を納めることで、介護が必要になった時に所定の介護サービスが受けられます。
ここでは、介護保険制度の基本的な内容を解説していきます。
介護保険制度の概要
日本では、基本的に40歳以上の国民が介護保険に加入し、介護保険料を負担することが義務付けられています。
65歳以上の方は、市区町村(保険者)が実施する要介護認定において介護が必要と認定された場合、いつでもサービスを受けることができます。また、40歳から64歳までの人は、介護保険の対象となる特定疾病により介護が必要と認定された場合は、介護サービスを受けることができます。
1.第1号被保険者及び要介護(要支援)認定者数は、「平成25年度介護保険事業状況報告年報」によるものであり、平成25年度末の数である。第2号被保険者の数は、社会保険診療報酬支払基金が介護給費納付金額を確定するための医療保険者からの報告によるものであり、平成25年度内の月平均値である。
※1万人未満の端数は切り捨て
第1号被保険者の要介護・要支援認定の基準
65歳以上の方は、市区町村(保険者)が実施する要介護認定において介護が必要と認定された場合、いつでもサービスを受けることができます。
要支援1~要介護5までの7段階が認定基準として設けられています。
要介護度別の身体状態のめやす
- ●要支援1
-
要介護状態とは認められないが、社会的な支援を必要とする状態
食事や排泄などはほとんどひとりでできるが、立ち上がりや片足での立位保持などの動作に何らかの支えを必要とすることがある。
入浴や掃除など、日常生活の一部に見守りや手助けが必要な場合がある。 - ●要支援2・要介護1
-
日常生活の一部について部分的な介護を必要とする状態
食事や排泄はほとんどひとりでできるが、ときどき介助が必要な場合がある。
立ち上がりや歩行などに不安定さがみられることが多い。
問題行動や理解の低下が見られることがある。
この状態に該当する人のうち、適切な介護予防サービスの利用により、状態の維持や、改善が見込まれる人については要支援2と認定される。 - ●要介護2
-
軽度の介護を必要とする場合
食事や排泄に何らかの介助を必要とすることがある。
立ち上がりや片足での立位保持、歩行などに何らかの支えが必要。
衣服の着脱はなんとかできる。
物忘れや直前の行動の理解の一部に低下がみられることがある。 - ●要介護3
-
中等度の介護を必要とする場合
食事や排泄に一部介助が必要。
立ち上がりや片足での立位保持などがひとりでできない。
入浴や衣服の着脱などに全面的な介助が必要。
いくつかの問題行動や理解の低下がみられることがある。 - ●要介護4
-
重度の介護を必要とする状態
食事にときどき介助が必要で、排泄、入浴、衣服の着脱には全面的な介助が必要。
立ち上がりや両足での立位保持がひとりではほとんどできない。
多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。 - ●要介護5
-
最重度の介護を必要とする状態
食事や排泄がひとりでできないなど、日常生活を遂行する能力は著しく低下している。
歩行や両足での立位保持はほとんどできない。
意思の伝達がほとんどできない場合が多い。
1.(公財)生命保険文化センター「公的介護保険で受けられるサービスの内容は?」をもとに作成
第2号被保険者の要介護・要支援認定の基準
第2号被保険者(40歳から64歳までの人)は、介護保険の対象となる特定疾病により介護が必要と認定された場合は、介護サービスを受けることができます。
特定疾病の範囲
- がん【がん末期】 ※
(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。) - 関節リウマチ ※
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病【パーキンソン病関連疾患】 ※
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症 ※
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
1.厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」より
2.※印は平成18年4月に追加、見直しがなされたもの