介護サービス利用限度額および自己負担額
介護が必要になった時に、所定の介護サービスが受けられる公的介護保険。
この介護サービスは、際限なく利用できるわけではなく、要介護状態区分(要支援1・2、要介護1~5)に応じて、利用できる限度額が決められています。
自己負担は1割または2割
利用限度額は、要介護度の要支援1から要介護5までの認定区分により利用できるサービスの限度が定められます。
利用者は、利用限度額までの1割または所得によっては2割を自己負担することになります。
※一定以上の所得のある第1号被保険者の方は2割負担となります。
在宅サービスの利用限度額・自己負担額
「在宅サービス」の1か月あたりの利用限度額と自己負担額の目安は、下表のとおりです。ただし、地域によっては割り増しや、市区町村条例によって特別給付が上乗せされ、利用限度額が引き上げられていることがあります。
利用される場合は市区町村に事前にお尋ねください。
1.(公財)生命保険文化センター「公的介護保険で受けられるサービスの内容は?」をもとに作成
2.支給限度額は標準的な地域の例です。大都市等の場合、介護サービスの内容に応じて利用料が高くなるため、支給限度額は上記よりも高くなります。
支給限度額を超えた分は全額自己負担になります。また、施設における食費や滞在費などは公的介護保険の給付の対象にはなりません。また、支給限度額の対象外のサービス(特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護など)があります。
施設サービスの利用限度額
施設サービスの利用限度額は、施設の種類、個室か多床室(相部屋)か、介護要員数など住環境の違いによって自己負担額が変わります。
保険施設利用の場合には、費用の1割(一定以上の所得がある場合は2割)の他に下記のように居住費、食費、日常生活費の負担が必要です。
1.厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」をもとに作成
低所得者への支援
利用者負担が過重にならないよう、所得の低い方には下記の表のとおり、所得に応じた区分により次の措置が講じられています。
設定区分と対象者
- ●第1段階
-
生活保護者等
世帯全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金受給者 - ●第2段階
-
世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円以下
- ●第3段階
-
世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円超
- ●第4段階
-
市区町村民税課税世帯(第5段階に該当する場合を除く)
- ●第5段階
-
その者の属する世帯内に課税所得145万円以上の被保険者がおり、かつ、世帯内の第1号被保険者の収入の合計額が520万円(世帯内の第1号被保険者が本人のみの場合は383万円)以上
1.厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」をもとに作成
特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)
介護保険施設入所者の人で、所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給されます。
なお、特定入所者介護サービス費の利用には、負担限度額認定を受ける必要がありますので市区町村に申請をしてください。 負担限度額は所得段階、施設の種類、部屋のタイプによって異なります。
1.厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」をもとに作成
1.厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」をもとに作成
高額介護サービス費支給制度
公的介護保険を利用し、自己負担1割(※1)の合計額が、同じ月に一定の上限を超えたとき、申請をすると「高額介護サービス費」として払い戻される制度があります。
これは、国の制度に基づき各市町村が実施するもので、個人の所得や世帯の所得に対して上限が異なります。
この高額介護サービスの対象には、老人ホームなどの居住費や食費、差額ベッド代、生活費などを含むことはできません。また、在宅で介護サービスを受けている場合の福祉用具の購入費や住宅改修費などについても高額介護サービス費の支給対象とはなりませんので注意が必要です。
(※1)一定以上の所得のある第1号被保険者の方は2割負担となります。
1.厚生労働省「周知用リーフレット 高額介護サービス費の負担限度額の見直し」をもとに作成
(※2)「世帯」とは、住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した方全員の負担の合計の上限額を指し、「個人」とは、介護サービスを利用したご本人の負担の上限額を指します。