火災保険の基礎知識

「マイホームを購入する時に、銀行で勧められた火災保険に加入した」
「部屋を借りる時、不動産屋さんから勧められて加入した」
「本当にいいのかな~」と思いながら、調べるのも面倒だし任せてしまおう!と、
深く考えずに加入してしまった方も多いのではないでしょうか?

火災保険って必要?

確かに、火災はめったに起きません。私たちが1年間に建物火災に遭う確率は0.1%以下です。
総務省「消防白書」内資料

しかし、めったに起きない火災でも、わが身に降りかかったらどうなるでしょうか?
毎日のようにニュースで「●●で火災がありました」と取り上げられるのは、日常生活を脅かす恐ろしいものだからです。ご自身や家族の命が失われることさえありますし、住まいを失ってしまうことも想定されます。

住宅ローンの返済中の場合は、失った家のローンの返済をしながら、さらに新しい住まいの準備や費用も必要になります。失った住まいや家財を、国が何とかしてくれることもありません。

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<STEP1> 何を対象とするかを決めましょう

まず火災保険に加入するときは、「何を」補償対象とするのかを決めましょう。

大きく分けて「建物」と「家財」の2種類です。片方のみにするのか、両方にするのかを決めます。
保険会社によっても違いがありますが、具体的に「建物」と「家財」とは何を指すのでしょうか?

●「建物」:建物に付いていて動かせないもの

(例)建物の基礎部分、車庫、浴槽、床暖房、便器、調理台、物置、門、塀、畳、ふすまなどの建具など

●「家財」:動かせるもの

(例)家具、テレビ、冷蔵後、洗濯機、パソコン、テーブル、洋服、カーテン、自転車など

<STEP2> 補償の範囲を決めましょう

火災の話を中心に述べてきましたが、「火災保険」が補償する事故は「火災」だけではありません。

保険会社によっても異なりますが、補償の範囲となるものをまとめました。

● 火災、落雷、爆発・破裂
● 風災、雹災、雪災、水災
● 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突、水漏れ、騒じょう、盗難
● 不測かつ突発的な事故(破損・汚損)

一部の保険会社では、必要な補償、必要でない補償を選択できるような火災保険の販売を始めています。
この場合、不要な補償を外すこともできますので、保険料も節約することができます。

<STEP3> 地震の被害だけは別

前述のとおり、補償範囲の広い「火災保険」ですが、地震・噴火またこれらによる津波による損害は補償しません。

つまり、火災保険に加入していても、地震が原因で火災が起きた場合、補償されません。
この場合、地震への経済的な備えとして、火災保険と一緒に「地震保険」に加入する必要があります。
地震は一瞬で日常を奪い兼ねない災害です。防ぎようもないため私たちは「備えること」しかできません。

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<STEP4> 建物の構造を確認しましょう

火災保険の場合、建物の構造により、燃えやすさなども異なるため、建物が木造なのかコンクリートなのかによって、支払う保険料は異なります。

「建物の種類」や「建物の性能」と言われても、なかなかピンときませんが、正しく契約するために必要な情報ですので、きちんと確認しておきましょう。

保険料は補償の範囲と保険金額、特約の有無などのほか、
● 建物の構造
● 面積
● 住所
● 保険期間
● 家族構成
● 各種割引

によっても変わってきます。

<STEP5> 建物や家財の保険金額を決めましょう

火災保険を契約する上で、大切なポイントのひとつとなる「保険金額をいくらにするか」について。

火災保険の場合、建物や家財の価値によって、保険金額を設定するのが基本となります。

建物の価値と聞くと、「家は古いから価値はゼロに近い」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、火災保険での建物の評価は、不動産取引での市場価値とは異なる基準で算出されます。「新価」と「時価」の2つの評価基準があるのをご存じですか?
「古い火災保険のままほったらかし」という方は、要注意です。

また、火災保険などの損害保険は、発生した損害額を実費で補償します。
契約時に設定する「保険金額」とは、火災が発生した場合に支払われる金額の「上限」となります。火災に遭ったからといって、保険金額が必ず全額支払われるわけではないので注意しましょう。

<STEP6> 加入方法や商品について

火災保険は、保険の対象や補償の範囲など、保険会社によってもさまざまです。

きちんと専門家に相談して、決めることが近道です。