火災保険って必要?

火災保険って必要?

持ち家でも賃貸でも家に住んでいる以上、火災保険の話はついてきます。あるかないかわからない万一のリスクに備えるものですし、保険料も安いとはいえないので、本当に必要かどうか疑問に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
火災保険の加入率に関しては、明確なデータは公表されていませんが、持ち家であれば約80%の方が加入しているといわれています。多くの方が加入しているこの火災保険。やっぱり必要なのでしょうか?

火災保険は必要?

火災保険が必要かどうか。結論から言うと、「事故が起こった時に、家計が成り立つかどうか」で判断しましょう。

例えば、車の運転をする人は、自動車保険に加入します。それは、相手の方が亡くなってしまうような、事故を起こしてしまった時に、賠償額が億単位になることもあるからです。

一般の家庭ではそんな額の賠償は払えないので、保険に加入します。

住まいも同じで、火災や自然災害の被害で、建物も、家財もすべて失ってしまう可能性があります。損害額が数百万、数千万単位になってしまう可能性もあります。十分な貯蓄があれば問題ありませんが、一般的の家庭では難しいので、保険に頼ります。

住まいに関する被害は、精神面でも経済面でも大きなリスクです。
車の事故も住まいに関する被害も「あるか」「ないか」わからない点では同じです。
何となく不安だから加入する。何となく大丈夫そうだから加入しない。という判断ではなく、保険がないと生活が破たんするか、しないかで判断するのが良いでしょう。

火事に遭う確率

平成26年中の建物火災の出火件数は、2万3,641件です。この数字だけでは、多いのか少ないのかよくわかりませんね。
1日あたりの出火件数は65件。22分に1件の割合で出火していることになります。
確かに、出火率(人口1万人当たりの出火件数)は、3.4件/1万人ですので、高いとはいえないかもしれません。

出火率、火災件数、人口及び世帯数の変化
1.総務省「平成27年版 消防白書」をもとに作成
2.人口は、平成16年については3月31日現在の住民基本台帳、平成26年については3月31日現在の消防防災・震災対策業況調査による。

●建物火災の主な出火原因

1位:コンロ
2位:たばこ
3位:放火
4位:ストーブ
5位:放火の疑い

建物火災の主な出火原因と経過
1.総務省「平成27年版 消防白書」をもとに作成
2.「その他のたばことマッチ」は、出火原因が、たばこ、マッチ又はライターと判別できるが、そのいずれかに確定できない場合をいう

うちはたばこを吸う人もいないし、火事にならない様に注意して生活しているから、大丈夫。と思われていらっしゃる方もいるかもしれませんが、火災の原因は放火などもあることを忘れないでください。

失火責任法ってご存じですか?

放火以外にも、どんなに気を付けていても、どうすることもできない火災もあります。例えば、隣の家からのもらい火で自宅が被害に遭ってしまった場合はどうでしょうか?隣の家の人に賠償してもらえばいいでしょ?と思っていらっしゃる方も多いかもしれません。

「故意または過失によって他人の権利を侵害したる者はこれによって生じたる損害を賠償する責めに任ず」

これは民法709条で定められている損害賠償責任に関する法律です。
「他人の物を壊してしまったり、他人にケガをさせてしまったら、その損害を賠償しなさい」というものです。これは皆さんご存じだと思いますが、火災の場合は、少し事情が異なるのです。

「民法第709条の規定は失火の場合にはこれを適用せず。但し失火者に重大なる過失ありたるときはこの限りにあらず」

これは、失火責任法と呼ばれる法律で、火災の場合は、重大な過失がない限り、この原則を適用しないとしています。つまり、損害を与えた理由が火災ならば、隣の家の人に賠償責任を求めることはできないということです。

理不尽に感じるかもしれませんが、お隣の家が火元でも、自分の家は自分のお金で修繕しなくてはならないのです。

日本は狭い土地に木造建築が密集しており、火災が広がりやすいという住環境にあり、自宅を失った上に、莫大な賠償責任を一人の人に負わせることは妥当ではない。という趣旨から制定された背景があるようです。

住宅ローンと火災保険

マイホームを購入する際、住宅ローンを長期に渡って組むケースが一般的です。その間、何があるかわかりません。
住宅ローンの返済中に、事故や病気で亡くなってしまったり、火事や自然災害で家が壊れてしまう可能性もあります。お金を借りた側、貸した側とも困ることがない様に保険を利用します。

もし、火災で家が被害に遭って住む家がなくなってしまっても、住宅ローンの返済はなくなりません。
借りた側からすれば、焼失してしまった建物の住宅ローンに加え、生活するための家財や新たに住む家の家賃など、二重の住宅費が重くのしかかります。
お金を貸した側からすれば、住宅ローンの返済が滞ってしまうと困りますし、土地と建物を担保に融資するのが一般的ですが、建物が火災で焼失してしまったら、建物の価値はゼロになってしまいます。
ですから、火災保険への加入を義務として、火災保険申込書の写しの提出を求める銀行などもあります。

賃貸でも火災保険は必要?

ほとんどのケースで不動産会社と契約を結ぶ際に、火災保険への加入が条件となっています。
隣の家の人には失火責任法が適用されますが、大家さんとの間には、借りた部屋を契約終了時に元の状態にして返さなければならない、借用物返還義務があります。自分の借りている部屋が火災の火元で損害を与えた場合、大家さんに対して賠償責任を負うことがあるため、大家さんへの損害賠償を補償するためにも、火災保険は必要です。

まとめ

火災保険は、被害に遭った時の損害が大変大きなものに備える保険です。
何となく不安だから加入する。何となく大丈夫そうだから加入しない。という判断ではなく、保険がないと生活が破たんするか、しないか十分検討した上で、必要性を判断しましょう。