受け取れる保険金額について

受け取れる保険金額について

火災保険を契約する時に決める「建物の保険金額」や「家財の保険金額」。
建物の保険金額は3,000万円にしたはずなのに、火災に遭った時支払われたのは600万円。これってどうして?と疑問に思った方はぜひお読みください。

「保険金額」は上限

火災保険を契約する際に決める「保険金額」。この「保険金額」は、火災が発生したら必ず全額受け取れるわけではありません。万一、火災が発生した場合に支払われる保険金の上限が、この「保険金額」になります。

あくまでも実際に受け取れる保険金は、発生した損害額です。

また、火災保険は実際の被害額に対して保険金を支払う保険ですので、損害額を超える保険金を受け取るような不当利得も認められていません。

原則、生命保険のように、職業や収入に見合った範囲内でご自身が必要と考える金額を設定できるしくみではないため、契約する建物が現時点でいくらの価値があるのか、損害保険会社や代理店が算出します(保険価額)。
「保険金額」を「保険価額」より高く設定しても(超過保険)、支払われる保険金は「保険価額」が限度になります。
保険価額よりも保険金額を少なく設定することもできますが(一部保険)、万一の場合に損害額どおりの保険金が支払われないことがあります。

保険価額と保険金額

保険金が全額支払われる場合

保険会社は、被害の程度を段階的に区分し、それに応じた割合によって支払う保険金を決めます。
この基準は保険会社によって異なるので、契約の際には「補償」と「保険料」だけで比較するのではなく、きちんと確認しておきましょう。

物理的に建物が完全に使用できなくなっている状態を「全損」といいます。この場合であれば、原則保険金が全額受け取れます。また、物理的に建物の被害は半焼程度であったとしても、その修理費が保険金額を上回るような場合にも、「全損」とみなされます。

●全焼・全壊の基準は以下のとおりです

・物理的な被害
保険の対象である建物の焼失・流出または損壊した部分の床面積の80%以上

・経済的な被害
被害額が再取得するための費用の80%以上

保険金が支払われない場合

保険金が支払われないケースは、契約時に渡される「契約概要・注意喚起情報」や、火災保険証券と一緒に送られてくる「約款」や「契約のしおり」に記載されています。

●戦争や巨大災害などの場合

戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武力反乱その他これらに類似する事変もしくは暴動

核燃料物質もしくは核燃料物質によって汚染された物の放射性、爆発性その他の有害な特性またはこれらの特性による事故

地震もしくは噴火またはこれらによる津波(地震保険を付帯することで、地震等による被害を補償することができます)
地震の被害だけは別

まずひとつは、保険金の支払いの規模が想定しづらく、場合によっては保険会社が保険金の支払いをまっとうすることが著しく困難になるような、戦争や巨大災害などの場合です。

●契約者や被保険者の過失による場合

保険契約者、被保険者またはこれらの者の法廷代理人の故意もしくは重大な過失または法令違反

故意とは
(例)ご自身で自宅に火をつけた場合

重大な過失とは
故意ではなくても、火災の発生が容易に予見・防止できるにも関わらず、注意を怠った場合。つまり、故意に近いような行為による事故は、重大な過失とされる可能性があります。
(例)ガスコンロにてんぷら油の入った鍋をかけたままその場を離れて火災となった

この事例が「重大な過失」と認められた裁判例もあります。ただし、個別の事情を含めて総合的に判断されたものですので、「ガスコンロの火の消し忘れ」がすべて「重大な過失」となるわけではありません。

まとめ

火災保険の保険金は、建物または家財の損害額について、契約時に決める「保険金額」を上限に支払われます。ですから、火災が発生したら必ず「保険金額」全額を受け取れるわけではありません。
火災保険は実際の被害額に対して保険金を支払う保険ということを、きちんと理解しておきましょう。