女性向け医療保険の特徴と注意点

女性向け医療保険の特徴と注意点

「女性向け保険」や「女性保険」という言葉は、テレビCMなどでも耳にすることが多くなってきたと思いますので、みなさん一度は聞いたことがあると思います。

しかし、
「通常の医療保険と何が違うの?」
「どんなところが女性向けなの?」
など、よくわからないことの方が多いのではないでしょうか?

このページでは、その女性向け医療保険の、通常の医療保険との違いや特徴などを中心に、わかりやすく解説していきます。

女性向け医療保険とは?

まず始めに「女性向け医療保険」とはどんなものなのでしょうか?
女性向け医療保険とは、女性のみが加入できる保険です。
ひとことで言ってしまうと、女性特有の病気に対する保障が手厚くなっている保険です。
よく誤解されるのですが、映画館のレディースデイなどのように、女性向けにお手頃になっている保険ではありませんので、注意が必要です。

あくまで保障を追加しているため、保険料は通常の医療保険よりも割高です。
その代わり、女性特有の病気になった場合には、一般的な医療保障よりも1.5倍~2倍の保障が受けられるような内容になっています。
例えば、女性向け医療保険の保障の例としては、

  • 女性特有の病気で入院した場合、入院保障日額が5,000円増える
  • 女性特有の病気で入院した場合、入院保障日額が通常の2倍になる
  • 女性特有のがんになった時、支払われる一時金が100万円増える

といったように、通常の医療保険の保障に足されるような形になると考えればわかりやすいと思います。

女性向け医療保険で手厚くなる病気

それでは、女性向け医療保険で保障が手厚くなる「女性特有の病気」にはどのようなものがあるのでしょうか?
保険会社や保険商品によって異なりますが、一般的に下記のような病気が対象になります。

●乳がん

女性のがんの中で罹患率が最も高いのが「乳がん」です。その乳がんへの保障を手厚くできます。
また乳房の全摘出となった場合には、人工乳房による乳房再建を考える人もいると思います。乳房再建の費用についても、保険商品によっては女性向け医療保険で保障される場合があります。

女性のがん総患者数
1.厚生労働省「平成29年 患者調査」をもとに作成
2.総患者数は、調査日現在において、継続的に医療を受けている者(調査日には医療施設で受療していない者を含む)を推計したもの

●子宮がん/子宮の病気

女性特有の病気として、子宮の病気の保障を手厚くできます。
代表的な病気としては、「子宮頸がん」「子宮体がん」などのがんだけでなく、「子宮筋腫」「子宮内膜症」などにかかった場合の保障も手厚くできます。
但し、がんなどではない子宮筋腫であっても、既往歴(病気にかかったことがある経歴)があると、女性向け医療保険には入れない、または子宮は保障の対象外となる場合もありますので、注意が必要です。

●卵巣・卵管の病気

次に、卵巣や卵管の病気です。
卵巣や卵管の病気としては、「卵巣のう腫」「卵巣がん」「卵管炎」「卵管がん」「卵管性不妊症」などの病気が代表的ですが、卵巣のう腫や卵管炎などは若い世代でも発症しますし、閉経後には卵管がんのリスクが大きくなるため、幅広い世代がかかる病気です。

●妊娠や出産に関連した治療

病気以外にも、妊娠や出産の際の治療費が保障されることがあります。
正常分娩では保障されることは少ないのですが、帝王切開や吸引分娩、流産や早産の際の手術、切迫早産の際の入院など、社会保険が適用される手術は女性向け医療保険で保障されることがあります。

●その他の女性に多い病気

上記以外にも、女性特有ではないものの、女性に多い病気が保障の対象になることがあります。貧血やバセドウ病、尿管結石、腎結石、胆のう炎などが主に挙げられます。
その他にも対象となる病気はありますので、家系に多い病気や気になる病気があれば、保険相談サービスなどで確認してみるとよいでしょう。

加入が制限されるケース

他の保険同様、持病がある人や大きな病気になったことがある人は、女性向け医療保険への加入ができない、または制限される場合があります。
がんに限らず、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣や卵管の病気にかかったことがある場合にも、再発の可能性が高いために加入が制限されることがあります。

仮に特定の部位だけに既往症がある場合には、その部位だけを保障の対象外とする「特定部位不担保」の条件付きで加入できる場合があります。
例えば、乳房や卵巣や卵管の大きな病気はしたことがなくても、子宮筋腫になったことがあったとします。その場合、子宮の保障だけを付けない「特定部位不担保」で保障を付けずに加入することができれば、子宮以外の病気に関しては保障を持つことができるのです。

「女性特有の病気」は若いうちからもかかりやすい

また、通常の病気に比べると、女性特有の病気は若いうちからかかりやすいという特徴もあります。
子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸がん、乳がん、卵巣のう腫などは、20代から罹患率が上がってきます。また20代後半からは、出産される方も増えてきます。
前述したとおり、一度病気になってしまうと保険への加入が難しくなるため、早い時期から備えておくと安心です。

女性向け医療保険で保障されない病気

女性特有の病気への保障が手厚くなる女性向け医療保険ですが、保障の持ち方には注意が必要です。
乳がんや子宮がんについては保障されている場合がほとんどですが、多くの場合には他のがんは保障の対象外になっていることがあります。
しかし、女性のがんによる死亡者数でみると、

1位:大腸がん(23,347人)
2位:肺がん(21,118人)
3位:すい臓がん(16,823人)
4位:胃がん(15,481人)
5位:乳がん(14,285人)
国立がん研究センターがん情報センター「2017年のがん死亡者統計データ」

となっており、女性向け医療保険で保障されている乳がんは5位です。大腸がんや肺がんなど、乳がんより死亡率の高いがんがあることがわかります。
がん特約やがん保険などで保障していなければ、これらのがんは通常の女性向け医療保険では保障の対象外となってしまいますので、注意が必要です。
もし女性向け医療保険に加入する場合には、この点に注意して、がん保険やがん特約なども合わせて検討しておくとよいでしょう。

「女性向け医療保険」と「女性特約」の違い

女性向け医療保険同様に、女性特有の病気に備える保障として「女性特約」があります。
特約とは、保険本体に付けるオプションのようなものです。つまり、保険の主契約にオプションで女性特有の病気に備える特約を付ける形になります。

保険本体となるのは、生命保険やがん保険などさまざまですが、女性特約の場合は、女性特有の病気以外には備えることができない点に注意が必要です。
また特約は、保険本体がなくなると、一緒になくなってしまいます。例えば夫の生命保険に妻の女性特約を付けていた場合、夫が亡くなり生命保険がなくなれば、妻の女性特約もなくなってしまいます。
特約の方が保険料も安く、メリットもあるのですが、女性向け医療保険との違いについて、予め理解が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

女性向け医療保険は、女性特有の病気への備えを手厚くできる医療保険です。
乳房や子宮、卵巣といった特定の部位の病気だけでなく、妊娠や出産に関わる手術や、バセドウ病などの女性に多い病気も対象となっています。

その反面、女性のがん死亡原因の上位にあたる、大腸がんや胃がんなどは保障の対象外となっている場合もありますので、きちんと確認しながら、がん保険やがん特約と合わせて考えてみるとよいでしょう。
また、女性特有の病気には若いうちからかかるものも多くありますので、早めに備えておくと安心です。
通常の医療保険と比較しながら、考えてみてください。

AFH283-2019-5024 4月5日(200405)