医療保険がおりないケース

医療保険がおりないケース

医療保険に加入しているにもかかわらず、実際に病気になったときに給付金を請求したら、支払ってもらえなかった…
そのような事態に直面すると「保険料の出し渋りだ」と言いたくなってしまいますが、約款をよく読むと契約内容には保障の対象外と書かれてあった…
そんなことにならないためにも、保険に加入するときには予め「医療保険がおりないケース」についてきちんとおさえておく必要があります。

医療保険の契約内容には、わかりにくく、誤解を生みやすいものもあります。給付金請求のときに嫌な思いをしないようにするためにも、医療保険の給付金がおりないケースについて、加入する前に予めおさえておきましょう。
特に誤解しやすい部分を中心に、解説していきます。

入院限度日数の考え方による誤解

まず、医療保険で保障されている入院の日数について、わかりにくい部分がありますので解説します。

医療保険の入院給付金は、契約の際に「最大○○日までの入院を対象にします」という形で、「入院限度日数」を決めて契約します。例えば、入院限度日数を30日にしていた場合、20日入院した際には、20日分の給付金が支払われます。

そして注意が必要なのは、「短期間に複数回入院した場合には、入院回数は1回と判断されてしまい、入院給付金が一部おりないケースがある」という点です。
医療保険における入院の考え方には、「同じまたは関連した病気で、1回目の入院の退院から180日以内に入院した場合には、2回ではなく1回の入院とみなす」というルールがあります。
例えば、入院限度日数を30日にした医療保険に入っており、最初の入院で20日間入院し、退院して120日後に同じ病気で20日間入院したとします。
一般的な感覚では「2回の入院で、両方とも入院限度日数の30日より少ない日数なので、両方の入院日数に対して給付金が支給される」と思ってしまいがちです。
しかし保険会社のルールでは、180日以内の入院なので、入院回数は1回とカウントされます。20日+20日で40日間の入院として計算され、「入院限度日数30日を超えた10日分はお支払いできません」となってしまうのです。
「180日以内に、同じまたは関連性の高い病気で、複数回入院した」ときには、注意が必要です。

(例)同じ病気で2回入院した場合

「日帰り入院」と「通院」の違い

「日帰り入院」と「通院」。この2つは何が違うのか、とてもわかりにくいと思います。
日帰り入院では給付金が支払われるけれど、通院では支払われない契約になっている場合など、この2つの違いで給付されるかどうかが違ってきます。
どちらも宿泊せずに日帰りで帰宅できるので、違いが明白にはわかりにくいのではないでしょうか?

「日帰り入院」とは、入院して、入院用のベッドを使い、検査や手術などを受けて、当日中に退院した場合のことをいいます。また日帰り入院の場合には、医療費に「入院基本料」が入っていますので、そこも判断基準のひとつです。
外来用のベッドで、手術や検査などを受けた場合には「日帰り入院」にはならず「通院」扱いになります。

非常によく似ている「日帰り入院」と「通院」ですが、入院用/外来用のどちらのベッドで治療や検査を受けたか?入院基本料を支払ったかどうか?が判断基準になります。

保障の対象外の手術

「手術を受けたので、給付金を受け取れると思っていたが、保険会社に連絡したら『その手術には給付されません』と言われてしまった」
このようなケースに陥ってしまわないように、保障の対象にならない手術について確認しておきましょう。
それでは具体的に対象となる手術から解説いたします。

●保障の対象となる手術とは?

手術給付金の対象となる手術は、保険商品によって大きく分けて2種類のパターンに分かれます。

1.約款に記載されている88項目(600種類)の手術
保険会社が独自に決定した手術を保障するというもので、例えば同じ部位のケガや病気でも、細かく支払われる対象と支払われない対象が分かれており、予め把握しておくことはとても困難です。
2010年頃まではこの88項目型が主流でしたが、給付金の不払い問題が発覚してからは、後述の公的医療保険連動に変更する保険会社が増えています。

2.公的医療保険連動の1,000種
名前の通り、公的な健康保険の対象になる手術(約1,000種類)を給付の対象とするタイプの保障です。2010年以降から増えており、現在はこちらが主流になっています。対象となる手術の種類が600から1,000に増えているだけでなく、給付の対象になるかどうかが非常にわかりやすい点が特徴です。

もし現在医療保険に加入中でしたら、どちらの保障内容になっているか?確認してみると良いかもしれません。

●保障の対象にならない手術とは?

それでは、給付の対象にならない手術にはどのようなものがあるのでしょうか?
保険における手術の定義は「治療を直接の目的として、器具を用い、生体に切断、摘除などの操作を加えること」となっています。つまり、検査のための手術や美容整形などは対象外となります。具体的には下記のような例です。

  • 検査を目的とした手術
  • 吸引や麻酔、埋め込んでいたボルトの除去などの「処置」の範囲内にある手術
  • 美容整形などの、治療を目的としない手術
●細かい基準は保険会社によって異なる

上記に「給付される」「給付されない」例を解説いたしましたが、保険会社や保険商品によって、どのような手術が保障されるかどうかは異なります。そのため、加入する際には契約内容はもちろん、担当者に詳しく聞いておくことが大切です。

入院を伴わない通院の保障

医療保険の主契約には通院の保障がありませんので、通院の保障を付けるために特約(オプションのようなもの)として「通院給付金特約」を付ける方もいらっしゃるかもしれません。

通院した場合に給付金が受け取れると考えがちなのですが、あくまで「入院に伴う通院」の場合のみに給付金が支払われるケースがほとんどです。
入院を伴わない通院でも給付金は支払われるのか?予め確認が必要です。

三大疾病保障は「所定の状態」が対象

医療保険の給付に関して、特に誤解が多いのが「三大疾病保障」です。
「三大疾病保障」は、三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)に備えるための保障です。そう聞いてしまうと、「三大疾病になったら給付金が支払われる」と思ってしまう方が多いのですが、実は違います。

三大疾病保障は、三大疾病の「所定の状態」になった場合に支払われる保険です。つまり、三大疾病の中でも限られた状態になった方が受け取ることのできる保険です。
この「所定の状態」がとても厳しい内容になっているため、加入する際には予め注意が必要です。保険会社によって内容は異なりますが、主に下記のような条件が多い傾向にあります。

●がん

がんには、大きく分けて「上皮内新生物」と「悪性新生物」の2種類があります。

上皮内新生物
上皮(粘膜層)内にとどまっているがんで、治療を行えば転移や再発の可能性が少ないがんです。

悪性新生物
上皮内にとどまらず、上皮内の最下層にある基底膜を破り、下部組織まで入り込んだ状態のがんです。悪性新生物は、血液やリンパ液に乗って、他の臓器に転移する可能性があります。

三大疾病保障では、この「悪性新生物」のみが保障の対象であり、上皮内新生物は保障の対象にはなりません。

●急性心筋梗塞

急性心筋梗塞を発病し、その疾病によりはじめて医師の診察を受けた日から、その日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断されたときが対象となります。
つまり、軽度の急性心筋梗塞では保障の対象外となります。

●脳卒中
脳卒中と診断確定されたその日から60日以上、言語障害、運動失調、まひなどの他覚的な神経学的後遺症および労働の制限を必要とする状態が続いたときが対象になります。
また脳卒中の中でも「くも膜下出血」「脳内出血」「脳梗塞」の3種類のみが対象であることが一般的です。他の脳血管障害の場合には保障の対象外になってしまうことがありますので、その点にも注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
「給付金が支払われる」と思っていても契約を確認してみると、さまざまな支払条件がありますので、注意が必要です。下記に簡単におさらいします。

  • 短期間に複数回入院しても、入院回数は1回としてカウントされてしまう
  • 保障の対象外となる手術がある
  • 通院保障は、入院を伴わないと給付金がおりないケースがある
  • 三大疾病保障は、所定の状態にならなければ保障されない

特にこのページでご紹介した内容が、よく誤解されるケースです。
医療保険に加入される際には、上記の点にも注意して契約しましょう。

AFH283-2019-5024 4月5日(200405)