日本の受診率は最低水準。がん検診の無料クーポンを使おう

日本人の死亡原因第1位のがん。

みなさんは、「がん検診」を受けたことがありますか?
「費用が高そう」「めんどくさい」「知りたくない」など、受けない理由はさまざまかと思いますが、現在では医療技術の進歩で早期発見・早期治療をすれば、がんで死亡する可能性を減らすことができます。「何かおかしいな」と症状を感じて病院に行った時には、がんが進行している可能性もあります。
働く人、その家族を守るためにも、定期的にがん検診を受けることが大切です。

みんな受けてるの?気になる「がん検診」の受診率

まずは、がん検診の受診率をみていきましょう。
過去1年間にがん検診を受けた人の割合をみてみると、一番受診率が高いのは肺がんで、「男性は47.5%」「女性は37.4%」です。年々上昇していますが、一番高い肺がんでも、50%を切る数字です。

過去1年間にがん検診を受診した人の割合
1.厚生労働省「平成25年 国民生活基礎調査の概況」をもとに作成
2.入院者は含まない。
3.2010年までは「子宮がん検診」として調査しており、2013年は「子宮がん(子宮頸がん)検診」として調査している。
4.2010年調査までは、がん検診の受診率については、上限を設けず40歳以上(子宮がん検診は 20 歳以上)を対象年齢として算出していたが、「がん対策推進基本計画」(2012年6月8日閣議決定)において、がん検診の受診率の算の対象年齢が40歳から69歳(子宮がん(子宮頸がん)は20歳から69歳)までになったことから、2013年調査については、この対象年齢にあわせて算出するとともに、2010年以前の調査についても、この対象年齢にあわせて算出し直している。

年々上昇はしていますが女性の「子宮がん」や「乳がん」も、過去2年間に検診を受けた人の割合は40%台ですから、半数以上の方が受診していないことがわかります。

世界からみた日本の受診率

それでは世界と比べて日本の「がん検診の受診率」は、どうでしょうか?
実は、国際的にみても低い値です。
例えば、乳がん・子宮頚がん検診の受診率はアメリカでは80%以上ですが、先進国が加盟するOECD(経済協力開発機構)の中で、日本は最低水準となっています。
(日本では、2年に1回の検診が推奨されておりますので、受診率の数値は過去2年間に検診した受診率です。)

がん検診受診率の国際比較
1.OECD, OECD Health Statistics 2015.
2.入院者は含まない。
3.2010年までは「子宮がん検診」として調査しており、2013年は「子宮がん(子宮頸がん)検診」として調査している。
4.2010年調査までは、がん検診の受診率については、上限を設けず40歳以上(子宮がん検診は20歳以上)を対象年齢として算出していたが、「がん対策推進基本計画」(2012年6月8日閣議決定)において、がん検診の受診率の算の対象年齢が40歳から69歳(子宮がん(子宮頸がん)は20歳から69歳)までになったことから、2013年調査については、この対象年齢にあわせて算出するとともに、2010年以前の調査についても、この対象年齢にあわせて算出し直している。(厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査の概要」)
5.わが国は「2年に1度」の受診が推奨されているため、当該年とその前年の検診受診者数の合計(2年分)に基づく受診率。

日本は比較的病院に行きやすい環境が整っているにも関わらず、受診率が低いのはなぜでしょうか?

がん検診を受けて、がんが見つかったらどうしよう「知りたくない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、医療の発達に伴い、がんも治る時代になってきています。何より早期発見、早期治療が大切です。
特に女性は、乳がんや子宮頸がんは30代から罹患数が増加します。育児や仕事で忙しく時間を作るのは難しいかもしれませんが、「がん検診」で早期の段階でがんを見つけることができれば、治癒率は高くなりますし、治療にかかる時間も費用も短縮でき、ご家族や大切な人への負担も軽くなります。

乳がん罹患数(2012年)
資料:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」をもとに作成

また、検診を受けない方の中には「検診には多額なお金がかかるのでは?」「受診方法がわからない」といった不安をお持ち方も多いと思います。しかし実際には費用に関しては、自治体などから助成が出ることも多く、無料もしくは数千円以内の場合がほとんどです。また、受診方法も各自治体に窓口がありますので、気軽に聞くことができます。
そういった情報が必要な人にあまり行き届いていない現状があります。

いつ受けたら良いかわからない。がん検診を受けるタイミングは?

それではがん検診は、いつ受ければ良いのでしょうか?
勤務先などで毎年、健康診断を受ける環境が整っている方は、比較的受診しやすい環境にありますが、健康で病院に行く機会も少ない専業主婦の方などは、受診するタイミングを自分で作らなくてはならないので、少しハードルが高いかもしれません。
がん検診の受診種類や対象者などについては、厚生労働省がガイドラインを作成しています。

指針で定めるがん検診の内容
資料:厚生労働省「がん検診」をもとに作成
※厚生労働省においては、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(平成20年3月3日付け健発第0331058号厚生労働省健康局長通知別添)を定め、市町村による科学的根拠に基づくがん検診を推奨。
*1.当分の間胃部エックス線検査については40歳以上に対して実施可
*2.当分の間胃部エックス線検査については年1回実施可

40歳以上の方は、年1回から2年に1回のペースで検診を受けるよう推奨されています。
子宮頸がんに関しては、20歳以上、2年に1回となっています。

がんには、肝臓がんやすい臓がん、前立腺がんなど種類はいろいろあるのに、なぜ上の5つなのでしょうか?それは、多くのがんの中でも、特に検診に向いているがんだからです。

●死亡リスクを下げることが国際的にも証明されている検診

子宮頸がん検診、乳がん検診、大腸がん検診

●有効性があるとして推奨されている検診

胃がん検診、肺がん検診

がんを見つけるためには健康診断だけではなく、がん検診を受診することが大切です。余談ですが、検診と健診の違いは以下のとおりです。

●検診

特定の病気にかかっているかどうかを調べるために診察や検査をします。「がん検診」の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことでがんによる死亡を減少させることです。

●健診

健康かどうかを確認し、健康上の問題がなく、社会生活が正常に行えるかどうかを確かめます。学校健診や就職時の健診がこれに当たります。

自己負担額が無料になる。がん検診の無料クーポン券

厚生労働省では、2009年以降、一定年齢の人を対象に「大腸がん」「乳がん」「子宮がん」の検診無料クーポン券を送付しています。クーポン券がご自宅に届いて、検診を受けたという方も多いのではないでしょうか。
特に女性は、20代から配布されているので、目にしたことがある方も多いと思います。
検診の日時や場所、申込方法は市町村によって異なりますので、お住まいの市町村のがん検診担当窓口に問い合わせてみましょう。

検診無料クーポン送付対象者
資料:厚生労働省「がん検診推進事業について」をもとに作成
※お住まいの市区町村により、配布内容は異なります。詳細は市町村のがん検診担当窓口へ

上記の年齢以外の場合でも、無料ではなくても「ワンコイン検診」など、市町村ごとに受診しやすい環境がつくられていますので、気になる方は「がん検診を受けたいのですが」と市町村の担当窓口に問い合わせてみましょう。

そして、がん検診に大切なのは「定期的」に受けることです。
がん検診のデメリットのひとつとして「偽陰性」があります。
「偽陰性」とは、がんを見逃してしまうことです。
がんが見つけにくい場所や形をしている場合、発見できないこともあり、検査の精度は100%ではありません。初回の検診でがんと診断できなかった場合でも、受け続けることで、がんを発見できる確率は高まり、がんによる死亡を回避する可能性も高くなります。
このため、がん検診は1回受けたから安心。ではなく、適切な間隔で受け続けることが大切です。

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