話題の新NISA 5つのポイント
2023/7/14
「新NISA」がスタートします
日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を、連日更新しています。2023年のはじめ1月4日の終値は2万5716.86円で、7月14日の終値は3万2391.26円なので、 半年で約6000円も上昇したことになります。
日経平均の最高値を記録した1989年12月29日の終値は3万8915.87円。かなり近づいてきた感じです。
そんな中、来年いよいよ「新NISA」がスタートします。
既にご存じの方は多いと思いますが、まだあまり理解できていないという方のために、制度のポイントをまとめてみました。ぜひご確認ください。
そもそもNISAとは?
NISAとは、株式や投資信託などを対象にした少額投資に対する非課税制度。
(Nippon Individual Savings Accountの略称)
通常、株式や投資信託など金融商品への投資から得られる配当・分配金や売却益には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すると、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税となるという制度です。
現行のNISAの内容は次の通りです。
(※注意:本記事ではジュニアNISAについては除外しています。)
新NISAで変わる5つのポイント
- 1.2つの制度が併用可能になる!
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現行では、一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選択する必要がありましたが、新制度では、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を併用可能になります。成長投資枠で売買差益を狙い、つみたて投資枠で長期運用など、違うタイプの運用を同時に行えます。
- 2.非課税期間が無期限になる!
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現行の一般NISAは非課税期間が5年間、つみたてNISAでは20年間でしたが、新NISAはなんと無期限です。
保有している期間中、配当や分配金は非課税、売却も非課税期間を気にすることなくいつでも可能になります。
若い方たちの資産形成にも使いやすくなると思います。例えば現行制度では、30歳の人が積立投資をしようと思ったとき、50歳で非課税期間が終わってしまいますが、無期限になれば60歳以降を見据えた資産運用として活用できます。 - 3.年間投資枠が大幅にアップする!
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現行の一般NISAは年間120万円、つみたてNISAは年間40万円までが上限です。
新制度では、成長投資枠が年間240万円、つみたて投資枠が年間120万円と大幅にアップします。年間で合計360万円まで投資が可能になります。 - 4.最大利用可能額が大幅にアップする!
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非課税限度額は、現行の一般NISAは最大600万円(5年×120万円)、つみたてNISAは最大800万円(20年×40万円)です。
新制度では、成長投資枠とつみたて投資枠を合わせて1800万円が最大利用可能額になります。(ただし成長投資枠は最大1200万円まで) - 5.売却分の投資枠が再利用できる!
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これは大きな変更だと思います。現行のNISAは、保有している金融商品を売却しても、その非課税枠は再利用できません。しかし新制度では、売却した分の非課税枠が復活します。
例えば1800万円限度額のうち1000万円分枠を使っている状態で、500万円分を売却すると、翌年度に売却した分の枠が復活して、残りの枠は1300万円になるのです。これなら市場の変化に合わせながら、ポートフォリオを変更することができ、柔軟な運用が可能になります。
非課税期間が無期限なので、1800万円の限度枠内なら、ずっと非課税での運用が可能になるという凄い変更です。
なお、現行NISAでの運用分は新NISAと分離された扱いとなるため、新NISAの1800万円の非課税枠は変わりません。よって、今年現行NISAを始めて、少しでも多く非課税枠を利用するという選択もありだと思います。
誰もが投資や運用をする時代へ
一時期「老後2000万円問題」が話題になりましたが、新NISAの非課税枠1800万円は、 ちょうど当てはまる気がします。 iDeCoなども同様ですが、自分で投資対象を選び運用するという考えが当たり前になってきており、今回の改正で「貯蓄から投資へ」の流れが、より加速していく気がします。
今回触れていませんが、保険を使った運用もたくさんございます。
保障を持ちながらの年金対策や、教育資金を貯める方法など、色々な選択肢がございますので、いつでもお気軽にご相談ください。