実はよく知らない、がん検査
よく耳にするがん検査
最近のがん検査サービスは「尿だけでわかる」、「遺伝子でわかる」など興味深い内容が多く一度試してみたいと思わせられます。
こうした家庭で行う検査ではなく、医療機関で受けるがん検査にも色々な種類があります。よく耳にする検査もありますが、その内容については「よく知らない」という方も少なくないのでは。
そこで今回は、広く普及している内視鏡検査やマンモグラフィーなど以外でよく耳にするがん検査を、いくつか取り上げてみました。
健康診断や人間ドックを利用される際の参考にしていただければ幸いです。
- ◆腫瘍マーカー検査とは
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腫瘍マーカーとは、主にがん細胞によって作られるたんぱく質などの物質のことで臓器によって異なります。体内にがんが発生するとこの数値が異常値になりますが、数値が高いからといって、即がんだと判断することは出来ないようです。この検査は、血液や尿の中の腫瘍マーカー量を測定するという、体への負担が少ない検査です。
- ◆PET検査とは
- PET:Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)
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細胞は生きるためのエネルギー源として「ブドウ糖」を必要としますが、がんなど悪性腫瘍は正常な細胞よりも増殖が盛んなため、3~8倍のブドウ糖を必要とします。
PET検査では、静脈からFDG(放射性フッ素を付加したブドウ糖)を注射し、細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を特殊なカメラでとらえて画像化します。ブドウ糖が集まる所に、がんがある可能性が考えられます。X線やCT、MRIなどの検査は形からがんを見つけますが、PET検査では細胞の性質からがんを見つけます。全身を一度に撮影しますので、転移や再発の発見に有用です。放射性薬剤を使用するため微量の被ばくがあります。
- ◆CT検査とは
- CT:Computed Tomography(コンピュータ断層診断装置)
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CT検査はX線を使って身体の断面を撮影する検査です。色々な方向からX線をあてて、水分、骨、脂肪、空気など体の中にある成分によるX線の吸収率の違いをコンピューターで処理し、体の断面を画像化します。連続した断面の画像から、体の中の様子を立体的に把握できます。X線を使用するため被ばくがあります。
- ◆PET-CT検査とは
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PETとCTの画像を同時に撮影する検査です。PET検査の画像のみでは、異常を発見してもそれがどこにあるのか、特定できない場合がありますが、臓器の形を画像化するCTとPET検査を組み合わせることで、部位や形を特定できます。PET(機能画像)とCT(形態画像)の特長を融合することで、互いの弱点を補い合います。CTとPETを別々で撮影する場合に比べ時間も短縮できます。
- ◆MRI検査とは
- MRI:Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)
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MRIは、強力な磁石と電波を使って、身体の内部情報を縦、横、斜め方向の断面で画像化できます。トンネル状の装置の中で強力な磁場を発生させるときに、装置から大きな機械音がするため、ヘッドホンや耳栓を装着して検査を受けることもあります。CTのようにX線を使わないため被ばくの心配はありません。
- ◆DWIBS(ドゥイブス)とは
- DWIBS:Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background Signal Suppression(拡散強調画像(DWI)の背景信号抑制(BS))
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2004年に日本人の医師によって開発された検査手法です。X線を使用せずに被ばくゼロで頚部から骨盤までの、全身撮影を行える方法です。
正常な細胞は、細胞同士の間隔が広いため水の動きが速く、がん細胞は間隔が狭いため水の動きが遅くなります。この細胞間の水の動きを、身体に電磁気を照射して撮影し、がん細胞を探すという仕組みです。DWIBS検査は従来のMRI検査と比べて、がんの検索がより広範囲で可能なため、1度の検査でほぼ全身のがんリスクを調べることができます。自由診療の場合5~8万円前後の費用がかかるようです。
今回はいくつかのがん検査について要点のみご紹介しましたが、他にもたくさんの種類の検査があります。医療や技術の進歩によって、がん検査も日々進化しているように、がん保険や医療保険も進化しています。
現在ご加入中の保険の内容確認も兼ねて、お気軽にご相談ください。